「55トラベル」15分で作る即興小説(ショートショート)

「ロケットで向かおう!月へ向かおう!今なら55万円!」
こんな広告を見た。月まで55万円で行けるらしい。ご飯やら何もかもコミコミらしいぞ。
行くしかあるまい。

大学を一年休学して浮いたお金で月まで行くことにした。月には何があるのだろう。ワクワクだ。


「発射5秒前~ 4~ 3~」

そろそろ発射だ!ドキドキするなぁ!

「2~1~」

バシュン!
ドゴォ!

「到着です。」

僕は到着の際の衝撃で意識を9年失ってしまった。

意識を取り戻したとき、僕はサイバーな空間にいた。

周りの白衣を着た人たちがドン引きしている。僕が目を覚ましたことが衝撃的だったらしい。

月への旅行はとんでもないものだった。
月へ向かって直線的にロケットを飛ばし、頭から着地するというものであった。
着地自体には成功したがあまりの衝撃に乗客のほとんどが死亡。唯一生き残ったのが植物状態のようになってしまった僕だけだったそうだ。

「君、自分の名前はわかるかい?」

音無です。

「おぉ・・・。すごいね君。意識が戻ったようでよかったよ。」

僕はこれからどうやって帰ればいいんですか?

「君は地球に住んでいたのかい?」

それはもちろん。中目黒です。

「地球は、おわったよ。もう生き物の住む環境ではない。」

えぇ……。ここはどこなんですか。

「月だよ。」

えぇ……。月にみんな住んでいるんですか。

「そうなんだ。移住できる人はみんな月に来た。移住できる人はね。何億というお金を払って月に移住したんだよ。」

僕そんなにお金ないですよ。死んだほうがいいですか?

「いやいや、とんでもない。君はね、この月では貴重な植物状態の人間としていい研究対象になっていたよ。だから地球に戻ったりなんてしなくていいんだ。」

モノ扱いだなぁ。まてよ、ということは僕は55万円で生存権を買ったのか……。お得だなぁ!


いかがでしたか?55万円の旅も悪くないでしょう?少し着地に難はあるかもしれませんが。この様なメリットもございます。
皆様も月へ55万円で旅行しませんか?

旅行代理店 GoGo55トラベルの宣伝でした。

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ぬるきん(あずま)

身売り顔出し担当偏差値6億.com
無職で自分を切り売りしているおじさん。 女装したりタンバリンを叩いたりしながら生きています。 ワインで頭を洗えば、僕のファンができた時にファンの皆様が飲シャンしやすいと思うのでずっとワインで頭を洗っています。

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