【架空日記】中学生 13歳 男性 2006/08/25生まれ A型

俺は正直シャーペンが嫌いだ。

周りの奴らはカッコよくて重いシャーペンを持っていたり、振ったり折ったりすると芯が出てくるギミックがあるやつだったりいろいろなものを持ってる。

けれどそういうシャーペンは高いんだ。300円とかでもビビるのに1000円とかするらしい。

ほしいけど値段を見てキレたくないから見にすら行かない。だから本当の値段は知らないけど話が聞こえてくる限り馬鹿高いらしい。

 

ふざけるな。そして見せびらかすな。

カシャカシャ音を立てて降って芯をだすな。

大げさに腕を振るな。

そしてしばらくしたら普通にノックをして芯をだすな。降るか押すかどっちかにしろ。

 

自分は100円のシャーペンを使ってる。普通に使えるし壊れない。

そもそも授業中寝ちゃうから関係ないんだけど。

 

 

 

 

 

となりの席にめっちゃ静かな女の子がいる。周りの女子がうるさい中すごい静かに過ごしてる。部活も委員も何もやっていないらしい。委員長みたいなのにな。

この前、その委員長みたいなやつに「筆記用具貸してくれませんか?」といわれた。先輩ならあれだけど同じクラスの俺に敬語使うってよっぽど真面目なんだな。

そう思ったけど俺は100円のシャーペンしか持っていなかった。

やっちまった。女の子に100円のシャーペンを貸してしまった。

その子はすごくごめんねって顔をしてた。こっちこそわりぃなってかんじだ。それ100円のシャーペンなんだよ。ごめん。

 

 

これをきっかけに気がついてしまった。自分の劣等感をたった1000円で消せるかもしれない。防げるかもしれない。1000円はらって防御を+4できるアイテムだったのかもしれない。RPGをよくやるから分かる。今が買いどきなんだ。将来俺は1000円という大金をあっさり使ってしまう人間になるのかもしれない。大事に大事にお金をためてアルバムを買って何回も聞いたり、相田と三橋と三人で金を出し合ってジャンプを毎週買うということもしなくなる時が来るかもしれない。俺はそれが怖い。自分の中の金の価値を変えたくないんだ。

だけど、おそらく変わる。今、俺の中での1000円の価値は将来の俺の価値観で言う10000円くらいなのかもしれない。将来俺は1000円をじゃぶじゃぶご飯や遊びに使うのかもしれない。けれど今は1000円を使うのに何日かの間迷ってしまう。それくらい大事なお金だ。

けど、あいつに100円のシャーペンをもたせたということが嫌だった。

今度からあいつがシャーペンを忘れたときのために、俺は1000円のシャーペンを買う。

 

 

どうせあの委員長みたいなやつは真面目なやつだから勉強もするだろ。グリップが柔らかいやつでも買っておいてやるか。指の負担とか少ないだろうし。

 

 

 

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あずまさん

身売り顔出し担当偏差値6億.com
無職で自分を切り売りしているおじさん。 女装したりタンバリンを叩いたりしながら生きています。 ワインで頭を洗えば、僕のファンができた時にファンの皆様が飲シャンしやすいと思うのでずっとワインで頭を洗っています。

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